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学生プロジェクトの課題:企画に大いに悩む

学生は「企画」という言葉が好きである。ついでに言うと、「デザイン」とか「マーケティング」とか「コンサルティング」という言葉も好きである。現代の若者は、知的で、自分一人で行なえて、汗をかかない仕事にあこがれる。

新しいアプリケーション、製品、サービスを提案しようとすると、当然のことながら何らかの企画が必要となる。このときモノを言うのはインスピレーションであると彼らは思っている。一生懸命考えていれば、ある日、神のおぼしめしにより、とんでもないアイデアが舞い降りてくる。それまでは、あーだこーだとひたすら悩むのである。

ところが、世の中はそんなきれい事では動いていない。企画は既存の物の真似によって出来上がるのである。もちろん、今ある物をデッドコピーしても笑われるだけである。世の中に何も貢献しないからである。新たな物を企画するには、既存の物に何らかの付加価値をつけなくてはならない。

そこで、企画を行なうときに採られる現実的な方法は「あら探し」である。既存の物に内在している問題点を一生懸命見つける。そして、その問題点を解決するアイデアを考えるのである。

例えば、大学の授業で電子教科書を利用する企画を考える。そのとき、現状の紙の教科書をそのまま電子化しても新しいとは言えない。現状の教科書の問題点は、価格が高いこと、読んでも理解しにくいこと、内容がすぐに陳腐化することなどである。これらを解決するようなシステムや体制を提案すれば立派な企画となる。ちなみに、教科書の問題点を知っているのは、実はユーザーである学生たちである。

企画は未来を見て想像力を働かすのではなく、過去や現実を見てあら探しをすること。学生はこのパラドクスを理解しなくてはならない。